ブロガー
ゆあおパパ
最初に結論から言いますと
1日に4時間(特に8時間)以上座っている人は心臓病や脳梗塞、がんを発症しやすく、死亡リスクが高い
聞いただけでゾッとしますね。
でも大丈夫です。
理学療法士のゆあおパパ(@yuaopapa)が科学的根拠も交えて、座りすぎが健康に与える影響を具体的に解説します。
そして運動の専門家目線で、座りすぎに対する具体的な解決方法を紹介していきますね!
座りすぎ人口で溢れるブロガーのあなたへ。記事を最後まで読んでいただき即行動に移してください!
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座りすぎと言っても具体的にどのような状態を指すのでしょうか。
多くの研究家の答えは次のとおりです。
座位時間(パソコンを使用したデスクワークや会議、自動車運転中、テレビ視聴やゲームなど)が1日に4時間以上の場合を「座りすぎ」としています。
過去の研究を参考にすると、とくに8時間以上座って過ごす場合は深刻な「座りすぎ」に該当すると言ってよいでしょう。
多くのブロガーにとって1日8時間以上座って過ごすことは普通と感じるかもしれません。
おそらくブロガーでなくても8時間以上座る人たちは日本に多くいるでしょう。
しかし世界に目を向けた時に8時間以上という数字はかなり特殊です。
下記の表は世界各国の1日の座位行動時間(分)を表したものです。

日本人の1日の座位時間は420分(7時間)で、なんと他国を抑え第1位!
座りすぎ大国だったのです。
他国からすると8時間以上座っている日本人を理解できないかもしれません。
今の日本の状況は、他国からすると普通では無いことを覚えて置いた方が良いと思います!
では座りすぎによってどのような弊害があるのでしょうか。

座位時間延長によるデメリットは多数あります。
例えば、
- 上の図にある通り、座位時の足はほとんど筋収縮を生じない
- 足の筋収縮が生じない・重力の影響により下半身の循環は停滞する
- 循環する血流量が減り、血液の粘稠度が上がる
- 血管内が傷つき、動脈硬化が進行する
- 心筋梗塞や脳梗塞などの疾患を発症する
- 死亡リスクを上昇させる
このように、座位時間が伸びるデメリットは単純に足の筋力・筋肉量を低下させるだけではありません。
私たちの健康寿命を奪い、死亡リスクを上昇させる脅威そのものなのです。
Biswas Aさんたちは「座りすぎ」の研究を多数集め、「座りすぎ」が健康へどう影響するか調べました。そこで明らかになった結果が以下の通りです(lm lntern Mecl 162:123-132,2015 )。
- 座りすぎにより総死亡リスクが高い
- 糖尿病にかかりやすい
- 心臓病にかかりやすい、死亡しやすい
- がんにかかりやすい、死亡しやすい
このような研究が多数報告され、世界保健機構(WHO)は身体活動不足は高血圧、喫煙、高血糖に次いで全世界の死亡に対する危険因子第4位と公表しました。
簡単に言うと、座りすぎることで病気になりやすく死亡するリスクを高めてしまうのです。
本業または副業でブログをしている方のうち「生活を豊かにする」ことを目標の一つとしてブログを継続している方も多いでしょう。
しかし、これらの研究結果をふまえると、生活を豊かにするつもりのブログ運営が生活を貧しくする可能性があることがお分りいただけると思います。
ここで、ある研究を紹介します。
この研究はLancetという世界でも超一流の医学雑誌に掲載された、非常に優れた研究です。
Ekelund Uさんたちは多数の研究報告を集めて(100万人以上)、1日の座位時間と身体活動量が死亡リスクとどのように関係しているかを明らかにしました(Lancet 388(10051):1302-1310,2016)。
1日に8時間以上の座位時間かつ中等度以上(早歩き以上の運動の強さ)の運動時間が5分以下の場合、死亡リスクがめちゃめちゃ高かったのです。
「1日に4時間未満の座位行動時間かつ中等度以上の運動時間が60分以上の場合」と比べて、なんと59%も死亡リスクが高かったのです。
まさに「運動不足 × 座りすぎ」はレッドカード寸前。
後述する具体的な解決方法を参考に、今すぐ行動に移しましょう!
ブロガー
ゆあおパパ
ゆあおパパは普段理学療法士として働いています。
急性期の総合病院に運ばれてくる患者さんを担当させていただく機会が多いのですが、
「自分は運動しているから大丈夫だと思ってた(泣)」
これ、ホントにめちゃめちゃ多くの方が言います。
「座りすぎ」の生活を送っている方が定期的に運動をしていたにも関わらず、心筋梗塞や脳梗塞など怖い病気になってしまうのです(※もちろん座りすぎだけが原因ではありませんが)。
つまり、ただ運動をしただけでは「座りすぎ」による健康への悪影響を回避するのは難しいのです。
先ほど紹介したEkelund Uさんたちの研究でもう一つ重要な結果を紹介したいと思います。
毎日座る時間が1日8時間以上でも60〜75分間の中等度以上(早歩き以上の運動の強さ)の運動をすれば、死亡リスクを増やさずに済む
座りすぎの人たちが死亡リスクを抑えるためには、ただ運動するのではなく1日に60分以上の中等度以上の運動をすることが重要なのです。
逆説的に捉えると、1日60分未満の運動時間や中等度未満の運動強度では死亡リスクを抑えることができないかもしれません。
いかがでしょうか。
もしかしたらこの記事を見ていただいてる方の中でも、運動しているから大丈夫と考えていた方がいたかもしれませんね。
ただ運動をするだけではダメなのです。
Honda Tさんたちが報告した研究では、30分以上継続した長時間座位はメタボリックシンドロームの発症に影響を及ぼすことを明らかにしました(BMG Public Health 16:888,2016)。
皆さんもよくご存知のメタボリックシンドロームを発症するということは、動脈硬化を助長するため心筋梗塞や脳梗塞など死に至る病気に近づくことを指します。
また、長時間座位を継続したときに注意が必要なのがエコノミー症候群ですね。静脈血管内に血栓ができ、血栓が肺などに流れこむ非常に危険な病気です。
座位時間の短縮に至らなくても、長時間座位を寸断することは非常に重要なことがお分かりいただけるでしょう。
これらを根拠に、今すぐデスクワークは30分ごとに区切りましょう!!

デスクワーカーは勤務時間の座位時間が長いでしょう。
加えて副業としてブログを運営する場合、ほぼ間違いなく1日8時間以上の座位時間になると思います。
デスクワーカー×副業している方が共通している問題点は座位時間が非常に長く、すでに「時間」が無いことです。
前述したように、最悪1日8時間以上座る時間があっても60分以上の運動を実践すれば病気や死亡リスクを減らせる可能性があります。
しかし、
「そんな時間ねーよ!!!」
って方が圧倒的多数でしょう。
悩ましい、、。
でも大丈夫です。のちに解決方法を紹介しますので今すぐ生活に取り入れてください!
【座位時間を減らす】
・1日に8時間以内
【運動をはじめる:FITTの原則】
・F:Frequency(運動頻度)→3回以上/週
・I :Intency(運動強度)→ややきつい〜きつい(息が切れるが継続可能)と感じる強度。
・T:Time(運動時間)→60分/日
・T:Type of exercise(トレーニングの種類):4.0km/h以上の速歩、ジョギング、サイクリングなど有酸素トレーニングを中心
・その他:継続すること。これにつきます。
※各疾患を指摘されている方、健康診断などで異常を指摘されている方などは上記の限りではありません。医師の指示のもと適切な運動をしましょう。
超理想を言うと、座位で過ごす時間を1日に4時間以内にとどめましょう。それがBestです。
しかし、残念ながらブロガーにとってそれはあまり現実的ではありません。
せめて、1日に8時間以内を目指しましょう!
根拠としては、座位時間が4〜8時間の人と8時間以上の人では死亡リスクに差があり、前者の方がリスクが低いからです。
運動に関しては「FITTの原則」を元にプランを立ててください。
有酸素トレーニングは毎日行うことが推奨されていますが、少なくとも3回/週を目指してください。
運動強度は息が切れる程度で、同ペースを持続可能な強度を選択しましょう。
もし速歩で物足りなければジョギング、サイクリングへとトレーニング種類を変化させてください。
運動時間に関して様々な文献がありますが、今回紹介した研究結果を踏まえて60分/日の運動が望ましいと考え提示しています。
普段の生活で速歩以上の身体活動を行なっている方は運動時間を短縮してもかまいません。
2回/週のレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)も非常に有効ですが、運動をはじめる方は有酸素運動から開始することを優先しましょう。
レジスタンストレーニングに関しては別の機会でお伝えします!
ブロガー
ゆあおパパ
【勤務時・ブログ執筆時の工夫】
・立位姿勢で作業可能な環境に変える(デスクの高さを座位タイプ、立位タイプを混在させる)
【勤務時間外・ブログ執筆時間外の工夫】
・通勤手段を変える:最寄駅の一つ手前で降車する、車→自転車
・通勤時の歩行速度・強度を上げる:4.0km/h以上のスピード、息が切れる程度の継続可能な運動強度で歩く
・子供の遊びにがっつり付き合う
・家事への積極的参加
【座位時間を減らす】
・可能であれば8時間以内を意識する
【運動量を増やす】
・デスクワークを30分で区切る
・社内環境を整える
・通勤手段を工夫する
・通勤時の歩行速度を上げる
・子供の遊びにがっつり付き合う
・家事への積極的参加
深刻な座りすぎ(1日8時間以上)に陥っており、かつ座位時間を減らすのが困難な場合は運動量を増やす取り組みを実施してみましょう。
かといって、生活を変えて8時間以内にして毎日60分の運動の時間を作るのも困難。
そんな方には是非これらの工夫に取り組んでいただきたいです。
デスクワークを30分で区切る
先ほど紹介したように、30分以上続けて座ることでメタボリックシンドロームを発症するリスクが高まります。
デスクワークを30分で区切る取り組みはすぐに実行に移してください!
タイマー設定を活用して定期的に区切ります。
合わせて立位・ストレッチを実施しましょう。
オススメはアキレス腱を伸ばすストレッチです。
その後、つま先立ち(下腿三頭筋(ふくらはぎ)を反復して収縮させる 10回×3セット)を実施すれば、筋肉のポンプ作用が働き循環を改善します。
社内環境を整える
座位時間短縮を推奨するための社内環境を作ることは非常に重要です。
社内全体で座りすぎを改善するために専門家の講師を呼び、講演したり個別ヘルスサポートしてもらう企業もあります。
合わせて社内標語を作るのも良いでしょう。
“Stand Up, Sit Less, Move More”
社内全体で意識することで、個人で頑張るよりもずっと楽に行動に移し継続できます。
最近では立位姿勢で作業可能な環境に変える企業も増えています。
座位タイプと立位タイプのデスクを混在させて配置し、自由に選択できるようにしています。
ノートパソコンを利用することで個人のデスクを固定せず好きな場所を選べるようにしましょう。
通勤手段を工夫する
シンプルに通勤手段を変えるのも手です。
車・電車→自転車などです。
自転車(サイクリング)は歩行と並んで有酸素運動としてはメジャーな種目になるのでオススメします。
最寄駅の一つ手前で降りることで歩行時間・距離を増やしても良いです。
仮に通勤・退勤共に30分ずつ歩行・サイクリングできれば、それだけで1日の目標運動時間を達成可能です。
通勤時の歩行速度を上げる
歩行速度は4.0km/h以上のスピードを意識しましょう。
息が切れる程度の継続可能な運動強度を持続できれば、「中等度以上」の効果的な運動強度になっているはずです。
せっかく動くのですから、ただ運動するのではなく科学的に根拠のある運動方法を選択しないと損です。
子供の遊びにがっつり付き合う
子育て世代なら、子供の遊びに付き合うことをオススメします。見ているだけでなく「一緒」に遊ぶのです。
子供と一緒に遊んだときの運動強度は、場合によっては中等度(速歩)と同じ程度の強度になると言われています。
ゆあお家も0,2,4歳と共に生活をしていますが、子供に付いて回るのはかなりの労力^^;。
座りすぎ対策としてはもってこいです。
家事への積極的参加
家事の内容にもよりますが、掃除など強度の強い傾向にある家事は積極的に参加しましょう。
家事も速歩に匹敵するほど運動強度が強いものも多々あります。
有酸素運動と同等の効果を発揮するのは難しいかもしれませんが、座っているよりは遥かに良いです。
奥さんの機嫌が激変するなど副次的な効果も得られるのは間違いないでしょう。
理想的な方法・現実的な方法にプラスαして欲しい方法です。
座っている時間を減らすのに限界があるなら、座っている時間の質を少しでも改善しましょう。
提案としてはただ1つ
「頭頸部〜体幹〜骨盤の姿勢を良くする」
です。
良い姿勢をとることで体幹筋群を適切に機能させ、腰痛など二次的な合併症を避けましょう。
座りすぎの弊害を少しでも回避することが重要です!

姿勢を良くする環境調整ポイントは3つの「高さ」です。
- デスクの高さ:基本的には高さ調整でき無いタイプが多いので、チェア・モニターの高さを調整しましょう
- チェアの高さ:チェアに座って腕を下垂させます。タイピングの姿勢を取った時の肘の高さがデスクの高さに合うようにチェアの高さを合わせましょう
- モニターの高さ:チェアに座り、図のような姿勢を取り、モニターが正面に来るように高さ調整してください。
環境を調整しても、常に良い姿勢を意識し続けることは容易ではありません。
無意識に良い姿勢を取れる最適なアイテムがあるので合わせて紹介します。
座るだけで骨盤のポジションが最適化できます。
骨盤のポジションが良い→体幹の姿勢が良い→頭頸部の姿勢が良い
まさに着るだけで体幹の姿勢を矯正します。
骨盤のポジションが良い←体幹の姿勢が良い→頭頸部の姿勢が良い
「座りすぎ」が健康に与える脅威を紹介しました。
生活を豊かにするために尽力しているつもりが、生活を豊かに生きるために必要な健康寿命を蝕んでいるませんか?
今日からすぐに行動できる解決方法も合わせて提案させていただきました。
即、行動しましょう!!
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